MTR-15アナログ・オーディオ・テープ・レコーダー MTR-15 Analog Audio Tape Recorder |
製品概要 | | オタリ「MTR-15」シリーズは1/4"または1/2"テープを用いる2トラック・マスタリング・テープ・レコーダーです. 合計4バージョン,8モデルの充実したラインナップにより,マスタリングや放送業務等の音のクオリティが至上命題となるあらゆる用途に対応します. 短いセットアップ・タイムでクリエイティブ・ワークに専念していただけるように,アナログ・マシンに不可欠な録音・再生系の調整を自動化するオート・アライメント機能を搭載しています. 機種構成 MTR-15には以下の8種類のモデルがあり,全機種において4テープ速度(76.2,38.1,19.05,9.53 cm/s)と4イコライゼーション(AES,NAB,NAB-J,IEC)が使用できます:- MTR-15N:1/4" NAB 2trk 2ch,標準筺体
- MTR-15T:1/4" NAB 2trk 2ch+タイムコード,標準筺体
- MTR-15D:1/4" DINステレオ,標準筺体
- MTR-15H:1/2" NAB 2trk 2ch,標準筺体
- MTR-15N-M:1/4" NAB 2trk 2ch,メーターブリッジ型筺体
- MTR-15T-M:1/4" NAB 2trk 2ch+タイムコード,メーターブリッジ型筺体
- MTR-15D-M:1/4" DINステレオ,メーターブリッジ型筺体
- MTR-15H-M:1/2" NAB 2trk 2ch,メーターブリッジ型筺体
オーディオ系の特長- 録音・再生系を自動/手動調整する“オート・アライメント”機能を搭載:アライメントは液晶ディスプレイに表示される指示とメニューを見ながら,メニュー・キーを押して選択したり,ダイアルを回してデータの値を調節して行います.録音系の自動調整では,MTR-15 はテープ速度と調整項目に合うように内蔵発振器の周波数とレベルを自動的に切り替えながらデジタル・トリマの値を調節します――発振器の周波数とレベルはユーザー独自の調整方法に合わせることもでき,また,外部の発振器を接続して録音回路を手動で調整することもできます.再生系の自動調整ではキャリブレーション信号の再生が始まったら START キーを押して実行させます.調整したデジタル・トリマの値(アライメント・データ)は長寿命リチウム・バッテリーによりバックアップされています.また,不特定の人が調整値を変更できないようにデータにはプロテクトがかけられます.オート・アライメントで調整できるのは次の項目です:
- 条件設定
- 工場設定値の復元(発振器の周波数とレベル,オーバーバイアス,オフセット値)
- アライメント・データのオフセット設定(±6 dB,0.1 dB精度)
- オーバーバイアスのプリセット(0〜10 dB,0.1 dB精度)
- 調整用発振器の設定(周波数とレベル)
- 録音系の自動調整終了時に発振させる試験信号音(正弦波)の周波数と持続時間の設定
- ドルビー HX プロ・ヘッドルーム・エクステンションのオン/オフ
- 4 種類(A/B/C/D)のテープ・タイプ設定(テープ速度毎)
- 基準磁束レベル切り替え(185,200,250,“250”,“320”,370,“510”nWb/m)
- イコライゼーション切り替え(NAB/IEC/NAB-J)
- 録音系
- バイアス
- ゲイン
- 高域イコライゼーション
- 中高域イコライゼーション
- 位相補正
- 再生低域イコライゼーション
- 再生系(Sel-Rep)
- ゲイン
- 高域イコライゼーション
- 低域イコライゼーション
- 他の機能
- 発振器機能(レベルは0/-10/-20.掃引範囲は10 Hz〜25.5 kHz.GAIN,L,Hのパターン―周波数と持続時間―を決めておいた基準信号音の発振)
- アンプ・モードの切り替え機能(Repro/Sel-Rep/Input,Safe/Ready.2チャンネル同時)
- データ・コピー
- チェック・モード(データ表示)
- ギャップレス・パンチ・イン/アウトが可能
- 背面照射式VUメーター(ピーク・インジケーター内蔵)を採用.メーター感度は3段階(0/+10/+20 dB)で切替可能.
- モノラル録音/再生切替機能も搭載可能(CH1/CH1+CH2.工場オプション).
- 基準入出力レベルは+4 dBuまたは-16 dBuが選択でき(+13 dBu〜-20 dBu調整可能),ライン出力は平衡/不平衡切替可能.
- ドルビーHXプロ・ヘッドルーム・エクステンションの採用(オン/オフ可能)により,高域周波数のダイナミック・ヘッドルーム,最大出力レベルの向上を図っています.HXプロは,入力信号の高域周波数成分を連続的にモニターし,それに応じて,セルフ・バイアスに影響なく録音バイアスを調整するものです.HXプロはノイズ・リダクションではありませんので,デコードの必要はありません.
ドルビーHXプロ・ヘッドルーム・エクステンションはバング・アンド・オルフセンの考案で,ドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレーションからの実試験に基づいて製造されています.『ドルビー』,ダブルD記号および『HXプロ』はドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレーションの登録商標です. トランスポート系の特長- デッキ・プレートには安定性を期して1インチ厚のアルミ・ダイキャストを使用し,機械部品を高精度にマウントするために入念に加工されています.
- 最大直径12.5"のリールまで使えます.
- トランスポート・コントロール・パネル上のキュー・ホイールを使ってテープを双方向に動かせます.シャトル・モードではキュー・ホイールを回した量に比例してテープ速度が増加し,ホイールを反対方向に戻す(あるいはSTOPボタンを押す)までシャトル動作を継続します.ジョグ・モードではテープの動きはキュー・ホイールの動作にしたがいます―ホイールを早く回わせばテープも早く動き,キュー・ホイールが止まればテープも停止します.
- ロータリー・エンコーダーにより0.01%ステップでピッチ・コントロール可能.外部クロック信号でも制御できます.
- テープ・タイマーには次のような附加機能があります:
- 2点間の“再生・巻戻し・再生”を繰り返すリピート機能
- サーチ・ゼロ機能
- ワンタッチ式のキュー・ポイント・メモリー(3箇所)
- サーチ・スタート機能(最後に再生モードに入った位置へテープを戻す)
- 速度変化率(%)表示機能またはテープ速度表示機能
- テープ編集作業のためにキュー・ボタンとモニター・スピーカーを装備し,また,ダンプ・エディット機能やテープの弛みを巻き取る“ワインドアップ”機能も備えています.さらに,左右のテンション・アームを上側へ動かすとリール・ブレーキを解除する機構も採用しました.
その他の特長- オペレーターの好みやスタジオの習慣に合わせて選べる機能が豊富にあります.そしてこれらの機能の選択は,液晶ディスプレイに表示されるメニューにしたがってキーを押して行く方式で行われます―次のような機能を選択できます:
- パンチ・イン/アウト方法
- 後追いパンチ・イン方法
- RECORDインジケーター点滅/非点滅(録音待機時)
- 速度変更ボタン押し方法(単独/二重押し)
- テープ速度の割り当て(76.2,38.1,19.05,9.53 cm/sから使うものを選ぶ)
- トランスポート・コントロール・ボタン配列(3通り)
- 停止時のリール・ブレーキ稼働/解除
- サーチ開始方法(ボタン1度押し/2度押し)
- リール・エンド減速の選択
- ミューティング選択(再生→停止,停止→再生,早巻き時,スティル)
- モニター・スタンバイ選択(ストップ/ファースト・スタンバイ)
- 機能割り当てボタンの機能設定(サーチ・スタート/フェーダー/レビュー/SEARCH 4)
- SEARCH 3キーの機能変更(通常/サーチ・スタート/フェーダー/テープ・センサーのオン/オフ)
- 速度表示単位選択(ips/cps)
- 時間表示の選択(“HH:MM:SS.S”表示と“HH:MM:SS:FF”表示)
- 経過時間計―総電源投入時間,総ヘッド磨耗時間,総リフター磨耗時間を計測―を装備しているため,保守・点検の計画が容易になっています.
- 外部制御用オタリ標準パラレル・インターフェース(トランスポート制御信号,ステイタス・タリー,タコ・パルス,速度制御信号を含む)を装備.別売のオート・ロケーター,シンクロナイザーと接続することも可能で,以下の別売基板キットを装備すればさまざまな外部制御が可能になります:
- RS-232-C/RS-422-A規格シリアル・コントロール・インターフェース
- フェーダー・スタート・コントロール
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