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DR-100 48chデジタル・オーディオ・ディスク・レコーダー
DR-100 48ch Digital Audio Disk Recorder
参考資料(この製品の製造・販売は終了しました)
主な特長 | 仕様
主な特長
dr100
オタリDR-100は,44.1/48 kHz時には48トラック,88.2/96 kHz時には24トラックの同時記録/再生が可能なマルチトラック・デジタル・オーディオ・ディスク・レコーダーです.ネットワーク的な運用を視野に入れた柔軟なシステム構成,スタジオでの作業効率を追求したリモート・コントローラー,録音機用に最適化されたハードウェアおよびソフトウェアなど,「プロフェッショナルのためのツール」に徹したオタリのフラッグシップ・マシンです.
  • 最大で48トラック×5階層=256トラックを利用可能:レコーディング・エンジンは,44.1/48 kHz時には48トラック,88.2/96 kHz時には24トラックの同時記録/再生が可能.一つのプロジェクトで最大256のバーチャル・トラック,5階層のレイヤーを利用できます.プロジェクトの全データは1台のハードディスクに保存され,ディスク管理の手間を軽減します.
  • ネットワーク的な運用を視野に入れた柔軟なシステム構成:レコーディング・エンジンとリモート・コントローラーは標準的な100Base/T EthernetとTCP/IPプロトコルにより接続されており,任意のリモート・コントローラーから任意のレコーディング・エンジンを選択・制御できます.音声信号の入出力には業界標準規格であるMADI(Multichannel Audio Digital Interface)を採用.フルデジタル化,ネットワーク化といった将来への備えも万全です.
  • 伝統的マルチトラック・リモートのルック&フィールを持つリモート・コントローラー:リモート・コントローラーは伝統的なマルチトラック・リモートのルック&フィールを忠実に再現しながらも,先進機能に迅速にアクセス可能.スタジオでの作業効率を損ないません.インプット/リプロ(ディスクから再生)/ミュート/ソロといったモニター切り替えやトラック選択には48トラック分のダイレクト・アクセス・スイッチを用意.カット,コピー,ペースト,ムーブ,デリートなどの編集機能へも専用のボタンで簡単にアクセスできます.頻繁に使用するメニュー設定を五つのショートカット・キーに登録できるなど,レコーディング・セッションの流れを損なわず,アーティストが音楽制作に集中できる環境を提供します.
  • 充実のトランスポート・コントロール:通常の録音/再生/早送り/巻き戻しに加えてジョグ/シャトル,±12.5%のバリスピード,繰り返し再生,逆転再生が可能.録音機能も繰り返し録音等,多彩な機能を装備しています.パンチ・イン/アウトは全チャンネル(44.1/48 kHz時で48チャンネル)同時に行うことができ,しかも完全にギャップレス.汎用的なPCで動作するアプリケーションにありがちな,ハードウェアによる制約を気にする必要はありません.また,ロケーター部は999個のロケート・ポイントを記憶することができ,五つのダイレクト・ロケート・キーによって迅速なアクセスが可能.2系列のタイマー・ディスプレイとテンキーを装備しており,キュー・ポイントの頭出しや編集も迅速に行えます.
  • 「プロフェッショナルのためのツール」に値する信頼性と堅牢性:この目的のために特別に開発されたレコーディング・エンジンとリモート・コントローラーは,プロフェッショナルの録音作業に求められる厳しい環境下でも24時間休みなく稼働できるよう,パーツ選定の段階から細心の注意が払われています.システムはUNIXライクなLinuxオペレーティング・システムを録音機用に最適化.汎用的なPCで動作するアプリケーションには望めない,高いレベルの安定性と堅牢性を提供します.(LinuxはLinus Torvalds氏の登録商標です.)
  • その他の機能
    • すべてのSMPTEおよびEBU/PALフレーム・レートに対応したタイムコード・チェイス(バーチカルとインターバルの両タイムコード・フォーマットに対応)
    • 内蔵クロック,標準の外部ワード・クロックおよびビデオ信号に同期
    • SCSI端子を備えた記録デバイスをDR-100に接続するだけで,プロジェクトの完全なバックアップ/再読み込みが可能
    • リモート・コントローラーと液晶ディスプレイを取り付けられる便利なリモート・コントローラー・スタンド(オプション)
    • ミキシング・コンソールのメーターブリッジ上に設置してレコーダーのレベル監視を行えるLEDバーグラフ・メーター(オプション)
MADIとは?
AES(Audio Engineering Society)が1991年にAES10-1991として制定したマルチチャンネル・デジタル・オーディオ・インターフェイスに関する規格です.当初,同軸ケーブル(BNC)1本で最大56チャンネルのオーディオ・データの伝送が可能でしたが,その後,96 kHz対応と光ケーブルによる伝送,最大64チャンネルのオーディオ・データの伝送が可能なAES10-2003に改訂されました.
MADIのもたらすメリット
MADIによる接続では,マルチチャンネル・オーディオを一本のケーブルでやり取りできる,という大きなメリットがあります.
  • ケーブル・コスト:MADIでは標準のケーブルとしてBNC同軸ケーブルと光ファイバー・ケーブルが採用されています.一本のケーブルでマルチチャンネル・オーディオをやり取りできるMADI接続によって,システム全体にかかるコストが大きく変化します.ケーブルは断線や劣化の恐れがあり,定期的な交換が求められますのでケーブル・コストの低減はランニング・コストの低減にもつながる大変重要なポイントです(例えば48チャンネルをXLRでアナログ接続(1 m)するのには約77,000円かかりますがBNCでデジタルMADI接続するのには460円しかかかりません(当社調べ)).
    また,低いケーブル・コスト以外にも,ケーブルのトラブルがあった際にどのケーブルに問題が生じているのかの原因解明に手間取るおそれがないという点もMADI接続の大きな長所です.
  • 光接続によるロスレス伝送:光MADI接続でDR-100を運用すると,メタル・ケーブルのような減衰や外来ノイズに悩まされることなく,長いケーブルを引き回すことが可能です.また,長距離を引き回す場合以外にも,何らかの原因で電気的なノイズを拾ってしまいそうな場合など,光MADI接続は最も有効なソリューションとなります.
  • レコーディング・コンソールとの連携の良さ:オーディオ業界では今やデジタル・コンソール全盛の時代を迎えています.デジタルで多チャンネルの音声を取り扱うことが一般的になった現在,様々なコンソールがMADIを標準あるいはオプションのI/Oとして採用しています.このようなコンソールから直接出力されるデジタル音声を確実かつ忠実に録音する――これがDR-100の大きな特徴です.またBNCや光ケーブルによるシンプルな配線はケーブル・トラブルを確実に減らします.この接続の容易さがDR-100とコンソールとの親和性を高めています.さらに,DR-100はSony 9-pinプロトコルにも対応しているため,コンソールからDR-100を操作することも可能です.
ファイル互換について
DR-100は独自フォーマットで音声を記録しますが他のDAWへの書き出しも可能です.サポートしているフォーマットはBWFとAES31-3の2種類です.この機能を使えば他のDAWとのデータ交換ができます.
BWF(Broadcast Wave File):BWFとはEBU(European Broadcast Union)が制定したWAVEファイルの拡張フォーマットです.開始時間などのタイムスタンプ情報,著作権情報,コメントなどが付記できるようになっています.世界中のDAWでサポートされる最も標準的なフォーマットです.
AES31:AES31とは機器間でのデータ交換を容易にするために作られたAES規格で,現時点では四つの規格で構成されています.DR-100では単純なプロジェクト交換を目的とするAES31-3をサポートしています.
上記の2種類のフォーマットへは書き出し機能で対応します.そのため,編集作業などの複雑な作業を行った際に万が一データが破損しても,つねにオリジナル・ファイルがDR-100に存在します.
データの受け渡しについて
複数の作業者がプロジェクトに参加することが多い現在,データの受け渡しの方法は最も気を使うポイントの一つです.DR-100では書き出し/読み込み機能を使って他のDAWとのデータのやり取りが可能になっていますが,その場合のデータの受け渡しの際には状況に合わせて三つの方法を選択できます.
  • リムーバル・ハードディスクを利用しての受け渡し:DR-100を利用した際の最も標準的なデータの受け渡し方法です.キングストン製のSCSIリムーバブル・ハードディスク・ケースを搭載したPC,Mac,サーバーなどに書き出し用ハードディスクをマウントし,データを受け渡しします.長時間にわたるプロジェクトなど,容量の大きなデータの受け渡しに有効な手段です.
  • DVD-RAMディスクを利用しての受け渡し:DR-100にDVD-RAMドライブ(オプション)を搭載して,FAT32にフォーマットされたDVD-RAMディスクにデータを書き出し,ディスクでデータを受け渡しする方法です.短時間のプロジェクトなど,DVD-RAMの容量内に収まるプロジェクトであれば,バックアップを兼ねたデータの受け渡しが可能です.
  • ネットワーク経由での受け渡し:DR-100ではネットワークを経由してWindows PCまたはMacintoshとの間でファイルをやり取りできます.DAWアプリケーションがインストールされたPCまたはMacintoshをDR-100と同一のネットワーク上に接続すると,ネットワーク・ディスクとしてDR-100を認識できます(ネットワークの構成についてはオタリにお問い合わせください).PCやMacを利用したDAWを使用している場合には非常に簡便なデータの受け渡しが可能になります.
洗練された操作感
お客様の環境に合わせてDR-100には2種類のリモート・コントローラーを用意しています.
  • CB-179 DR-100専用リモート・コントロール・ユニット
    cb179
    CB-179リモート・コントロール・ユニットはテープ・レコーダー時代のコントローラーを踏襲した伝統的なパネル・デザインを採用しましたので,初めて扱う方にもわかりやすく,より直感的に操作できます.DR-100の全機能が利用できるCB-179はわかりやすい操作のみならず,フラッグシップ・レコーダーの名にふさわしい操作感を生み出します.トランスポート・キーの配置は三つのスタイルへ変更可能.使い慣れたレコーダーの操作感覚のままDR-100を扱うことができます.また,これまでのDAWと異なり,リモート・コントロール・ユニットにVGA機能を搭載.DR-100エンジン・ユニットを遠くはなれたマシン・ルームに設置しても,VGAケーブルを長く引き回す必要はありません.CB-179には専用スタンドも用意しました.このスタンドは操作パネルとLCDモニター・ディスプレイの角度を調整する機構等も備えており,快適な操作環境を構築できます.
  • CB-184 DR-100専用PCリモート・ユニット
    cb184
    CB-184 PCリモート・ユニットはCB-179のソフトウェア環境をそのままに一部機能を限定した廉価版のリモート・コントロール・ユニットです.DR-100のオペレーションに最適化されたLinuxノートPCに専用ソフトウェアを搭載.基本的な録音作業を行うための最小限のシステムです.限られたスペースしかない中継車や小規模なスタジオでDR-100をご利用頂く場合に便利に使えるCB-184は,キーボード・ショートカットやマウスを利用した操作を駆使してDR-100をコントロールします.